高次脳機能障害者の就労にむけたリハビリテーション

  • 浦上 裕子
    国立障害者リハビリテーションセンター病院 第一診療部
  • 山本 正浩
    国立障害者リハビリテーションセンター病院 リハビリテーション部

書誌事項

タイトル別名
  • Medical rehabilitation for ensuring work readiness among patients with higher cognitive dysfunctions at 1 year after brain injury
  • ─発症から1 年後の介入について

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抄録

高次脳機能障害の就労を目標としたリハビリテーション (以下リハ) における1 年後の現状と問題点を, 発症から 1 年後の帰結, 神経心理学的検査, 就労準備性, 3 年後の帰結から分析する。当院でリハを行った高次脳機能障害者 100 名の発症から 1 年後の帰結は就労・復学 35.0%, 就労にむけた訓練34.0%, 福祉的就労 (作業所) 5.0%, 在宅生活 15.0%, 施設11.0%であった。リハ開始時には, 1 年後の就労・復学群のほうが, 就労にむけた訓練群よりWAIS-III の「処理速度」, RBMT の標準プロフィル点, TMT A, B の点数が有意に高く, 就労にむけた訓練群は, 就労準備項目に多くの支援を必要とした。1 年後の就労・復学群の 70.0%が3 年後も就労継続し, 就労にむけた訓練群は病院外来訓練や生活訓練を継続し 3 年後にはそのうち 67.6%が就労, 全体の就労率は 51.0%となった。発症から1 年後は就労継続または医学的リハから福祉機関へ訓練移行する時期であり, この時期の就労準備訓練が 3 年後の就労を促進する可能性がある。

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被引用文献 (1)*注記

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