結膜炎

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抄録

結膜(conjunctiva)は眼表面を覆う粘膜組織で,角膜以外の部分を指す.球結膜(bulbar conjunctiva)と瞼結膜(palpebral conjunctiva),その移行部である結膜円蓋(conjunctival fornix)から成っている.表面は涙液で保護されている重層扁平上皮組織であり,上皮には結膜上皮細胞以外に粘液を分泌する杯細胞がある.上皮下には血管や各種の細胞が豊富に存在する.眼球とは疎に結合し,眼球を保護し滑らかに運動させる機能がある(図1).<br>結膜は眼表面(ocular surface)を形成し,外界に直接接している部位である.そのため感染症やアレルギーなどの炎症を生じやすい特徴があり,臨床所見は様々である.本来動物は海の中で進化していたが,両生類以降陸上で生活をするようになると,眼表面の乾燥を防ぐために涙液を持つようになり,さらに眼瞼も陸上生活に対応して備わった.魚類には眼瞼はない.瞬目(まばたき)をすることにより乾燥を防ぎ,涙液を行き渡らせることができるが,これは進化の結果として獲得したものである.しかし現代の生活では様々な要因で乾燥しがちであり,ドライアイも増加している.<br>結膜炎は結膜の炎症性疾患であるが,原因によりアレルギー性結膜疾患と感染性結膜炎とに大別される.すなわち,非感染性結膜炎と感染性結膜炎である.

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 50 (3), 196-200, 2014

    公益社団法人 日本薬学会

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