携帯情報端末を用いた外来患者案内システムの開発と実証

DOI
  • 大前 浩司
    株式会社NTTドコモ ライフサポートビジネス推進部
  • 小林 春香
    株式会社NTTドコモ ライフサポートビジネス推進部
  • 内村 祐之
    東京大学大学院 医学系研究科 健康空間情報学講座
  • 脇 嘉代
    東京大学大学院 医学系研究科 健康空間情報学講座
  • 新 秀直
    東京大学医学部附属病院 企画経営部
  • 田中 勝弥
    東京大学医学部附属病院 企画情報運営部
  • 藤田 英雄
    東京大学大学院 医学系研究科 健康空間情報学講座
  • 大江 和彦
    東京大学医学部附属病院 企画情報運営部

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Personalized Outpatient Guide System Using Mobile Phones

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抄録

フリーアクセスを原則とするわが国の医療においては,拠点病院において外来患者の待ち時間と医師の外来業務負担が増加している.医療の現場では外来患者の待ち時間対策が重要な課題であり,これに対し「携帯情報端末を用いた外来患者案内システム(POGS)」を開発した.<br/> POGSは患者自身の携帯情報端末に時間・空間の制約なく外来案内情報を提供する.病院外にあらかじめ設定されたエリア内で患者自身の携帯情報端末からのオンライン再来受付が可能であり,さらに,再来受付後の患者の携帯情報端末には,診察進捗通知・診察呼出・支払案内等がプッシュ配信され,患者は随時,受診票・診察進捗等を確認することも可能である.<br/> 東京大学医学部附属病院の外来診療において協力患者10名(56.3±9.2歳)を対象にPOGSの実証試験を実施した.アンケート調査では,患者の待ち時間ストレスが高率(90%)に軽減されていることが確認された.診察呼出から診察室入室までの時間(呼出入室時間)についてPOGS利用群(n=20)では従来システム利用群(n=319)と比較して短縮される傾向(47±20秒vs 112±310秒, p=0.416, Wilcoxon rank sum test)があった.<br/> POGSは患者ストレス軽減効果のみならず,医師待ち時間および外来患者総待ち時間短縮効果を持つことが示唆される.

収録刊行物

  • 医療情報学

    医療情報学 34 (2), 55-64, 2014

    一般社団法人 日本医療情報学会

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