血液腫瘍治療で期待の新規チロシンキナーゼ阻害薬イブルチニブ

DOI
  • 渡邉 大至
    （公財）がん研究会有明病院薬剤部治験薬管理室

この論文をさがす

抄録

マントル細胞リンパ腫（mantle cell lymphoma：MCL）は，全リンパ腫患者のうち3％で発症が認められる希少な中悪性度B細胞性リンパ腫の一種であり，CD5およびcyclin D1陽性，染色体遺伝子転座t（11；14）（q13；q32）を伴うBCL-1遺伝子再構成を有する非ホジキンリンパ腫である．造血器腫瘍診療ガイドラインにおいて再発・治療抵抗性MCLに対する治療としてフルダラビン，ベンダムスチン等の単剤療法もしくはこれら薬剤とリツキシマブ，または他の抗悪性腫瘍剤との併用化学療法が推奨されており，リツキシマブがMCLの治療戦略において中心的な役割を担っている．また，2015年6月にはボルテゾミブがMCLに対しても適応拡大となっているが，再発・治療抵抗性MCLの標準化学療法はいまだ確立していないのが現状である．<br>なお，本稿は下記の文献に基づいて，その研究成果を紹介するものである.<br>1) Forstpointner R. et al., Blood, 108, 4003-4008 (2006).<br>2) Robinson K. S. et al., J. Clin. Oncol., 26, 4473-4479 (2008).<br>3) Mass A., Hendriks R.W., Dev. Immunol., 8, 171-181 (2001).<br>4) Advani R. H. et al., J. Clin. Oncol., 31, 88-94 (2013).<br>5) Wang M. L. et al., Blood, 126, 739-745 (2015).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 52 (5), 441-441, 2016

    公益社団法人 日本薬学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ