2013年に気道感染症小児から分離されたA群溶血性レンサ球菌の細菌学的検討―過去4回の調査成績と比較して―

DOI
  • 舟橋 恵二
    愛知県厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
  • 大岩 加奈
    愛知県厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
  • 河内 誠
    愛知県厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
  • 岩田 泰
    愛知県厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
  • 野田 由美子
    愛知県厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
  • 中根 一匡
    愛知県厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
  • 西村 直子
    愛知県厚生連江南厚生病院こども医療センター
  • 尾崎 隆男
    愛知県厚生連江南厚生病院こども医療センター

書誌事項

タイトル別名
  • Bacteriological investigation of group A streptococcal isolates from children with respiratory tract infections in 2013: Comparison with four previous studies

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抄録

2013年4月~2014年3月に,当院小児科を受診した気道感染症患者215例(6か月~14歳0か月,中央値5歳2か月)からA群溶血性レンサ球菌を215株分離した。全分離株についてT血清型と15種抗菌薬(PCG,AMPC,CTX,CTRX,CDTR,CFPN,PAPM,IPM,EM,CAM,CLDM,MINO,TFLX,LVFX,VCM)のMIC値を測定し,過去にわれわれが行った4回の調査成績と比較した。2013年の血清型別分離率は,12型34%,B3264型30%,1型11%,28型9%の順であった。各血清型の分離率は調査時期により異なったが,12型は過去4回を含むすべての調査において中心を占めていた。EM,CAM,CLDM,MINO,TFLX,LVFXにはそれぞれ58%,58%,49%,5%,8%,2%が耐性を示し,CLDM耐性株は全てEMおよびCAMにも耐性であった。過去4回を含む計1,696株において,βラクタム系抗菌薬およびVCMの耐性株はなかった。EMおよびCAM耐性率は,それぞれ1996年9%,未検討,2001年14%,13%,2003年20%,20%,2006年20%,20%と漸増し,2013年には共に58%まで上昇した。これまでに最も多く分離された12型では,血清型別のEMおよびCAM耐性率が2006年の共に20%から,2013年には共に85%と著しく上昇した。

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 65 (2), 229-234, 2016

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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