Human papillomavirus(HPV)ワクチンの接種後にSLEを発症した一例

  • 伊藤 晴康
    東京慈恵会医科大学内科学講座リウマチ・膠原病内科
  • 野田 健太郎
    東京慈恵会医科大学内科学講座リウマチ・膠原病内科
  • 平井 健一郎
    東京慈恵会医科大学内科学講座リウマチ・膠原病内科
  • 浮地 太郎
    東京慈恵会医科大学内科学講座リウマチ・膠原病内科
  • 古谷 裕和
    東京慈恵会医科大学内科学講座リウマチ・膠原病内科
  • 黒坂 大太郎
    東京慈恵会医科大学内科学講座リウマチ・膠原病内科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of systemic lupus erythematosus (SLE) following Human papillomavirus (HPV) vaccination

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抄録

症例は15歳の女性.20XX年8月と9月に2価Human papillomavirus(HPV)ワクチンの接種を行った.2回目の接種後から全身の疼痛,顔面の日光過敏と両側肘部に多発する紫斑を認めた.11月頃より持続する37℃台の発熱と全身倦怠が出現した.20XX+1年1月上旬には39℃以上の発熱と全身の疼痛に加えて関節痛が出現した為,精査目的に入院となった.入院後,Systemic Lupus International Collaborative Clinics(SLICC)2012の分類基準のうち,臨床的項目の頬部紅斑,光線過敏症,関節炎,リンパ球減少と免疫学的項目の抗核抗体陽性,抗ds-DNA抗体陽性,抗Sm抗体陽性を認め,SLEと分類した.その他,筋膜炎の合併を認めた.本症例を含め今までに報告されている症例を検討したところHPVワクチン摂取後にSLEを発症する症例は,自己免疫性疾患の既往歴や家族歴のある患者が多かった. また,SLEの症状は2回目の接種後に出現することが多かった.

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