ストリゴラクトンの根部から地上部へ構造および立体化学特異的輸送

  • 謝 肖男
    宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター
  • 米山 香織
    宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター
  • 来生 貴也
    宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター
  • 野村 崇人
    宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター
  • 秋山 康紀
    大阪府立大学大学院生命環境科学研究科
  • 浅見 忠男
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 米山 弘一
    宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Structure- and stereospecific transport of strigolactones from roots to shoots

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抄録

ストリゴラクトン(SL)はカロテノイドから生合成されるシグナル分子であり,根圏では,共生および寄生に係わる情報交換を媒介するともに,植物ホルモンとして,他の植物ホルモンとのクロストークを通して,植物の成長と分化を制御している.天然SLは,B–C環結合の立体化学によって2つのグループに分けられる.イネ科作物のイネとソルガムは,orobanchol型のSLとstrigol型のSL をそれぞれ生産するのに対して,タバコは両型のSLを生産する.本研究では,このようなSL生産における植物の種に特異的な現象が,外生のSLの根から地上部への輸送においても認められることを報告する.イネでは,5-deoxystrigolなどのstrigol型SLも分げつ芽の成長を阻害することが報告されているが,根に処理されたstrigol型SLは,処理20時間後に回収した地上部から検出されなかった.このことは,SLそのものではなく,SLの代謝物あるいは下流に存在する未知のシグナル物質が真の枝分かれ阻害剤である可能性を示唆している.

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参考文献 (17)*注記

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