小農支援におけるステークホルダー間の関係性と農家属性の影響:-パラグアイ共和国イタプア県ラパス市におけるJOCVプロジェクトの事例を対象に- Impact of stakeholders' relationship and farm household characteristics on support for small-scale farmers:–A Case Study of JOCV project in La Paz Town, Paraguay–

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抄録

1996年以降,パラグアイでは貧困削除を目的に日本の国際協力機構(以下JICA)による小規模農家支援プロジェクト(以下小農支援)が実施されている。この背景には,大規模農家(以下大農)と小規模農家(以下小農)による経済格差が大きな問題となっていることがある。近年,大農は海外向けに生産している穀物(特に大豆)の国際価格が高騰し,経営が豊かになっている。一方で,南米南部共同市場(MERCOSUR)の影響で加盟国からの農産物が大量に輸入され,国産農産物の価格が下落し,国内向けの農産物を生産している小農の経営に大打撃を与えている。その結果,小農による農地の不法占拠や犯罪が年々増加しており,大きな社会問題となっている。こうしたことから実効性の高い小農支援の実施が急務である。小農支援の手法の一つとして参加型開発(住民参加型,参加型援助など)が挙げられる。参加型開発の定義については多くの議論がされているが,本研究では,受益者がプロジェクトの一員として主体的に参加していることと定義とする。参加型開発における受益者に関する研究で,辰巳(2005)は開発組織と在地組織の関係の重要性を指摘している。一方で,秋保(2009)は,「開発組織」と「在地組織」を2つの別々の組織として捉えることで,組織間の関係性の分析が可能になるが,組織に着目するあまり個人の分析が欠落していると指摘する。組織間の分析では,包括的な関係性を明らかにすることは可能ではあるが,農村開発において最終的に受益者となるのは個人であるため,個人を対象とした分析が必要だと指摘し,個人間の関係性に着目した参加型開発研究を行った。本研究では,秋保の視点に倣って個別農家間の関係性に注目し,農村開発プロジェクトの分析を行う。具体的には,イタプア県ラパス市でJICAと青年海外協力隊員(以下JOCV)により実施されている小農支援を事例として支援の提供と享受の実態を明らかにすることを課題とする。その際に,支援に関する情報を農民がどのように,あるいはどのような経路で受け取っているのかという,ステークホルダー間の情報の流れに注目し,さらに小農の経営属性,年間所得,家族人数,血縁関係,住居距離に着目する。

収録刊行物

  • 農業経営研究

    農業経営研究 51(3), 85-90, 2013

    全国農業構造改善協会

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    130005155976
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00200823
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Journal Article
  • ISSN
    0388-8541
  • NDL 記事登録ID
    025111693
  • NDL 請求記号
    Z18-1079
  • データ提供元
    NDL  IR  J-STAGE 
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