マイクロ血管モデルの構築と分析化学的応用

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タイトル別名
  • Analytical Applications of Microfluidic Vascular Models
  • マイクロ ケッカン モデル ノ コウチク ト ブンセキ カガクテキ オウヨウ

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抄録

マイクロ流路を用いて血管モデルを構築し,分析化学的応用を図ってきた.電池及び制御系が組み込まれた小型ポンプを用い,手のひらサイズの細胞培養システムを開発した.これを用いて血管内皮細胞を流路内で培養し,シリンジポンプを用いた系と同等の細胞増殖速度及びタンパク質発現を実現した.さらに,血管に加えてリンパ管の要素を有するモデルを作製し,血管及びリンパ管のバリア機能の評価に利用できることを示した.これをハブ毒のアッセイに応用し,分析時間を24時間から30分に短縮できた.一方,生体内の現象を精密に理解するために,細胞を全く用いずに血管構造を再現することを着想した.ナノ粒子を用いる薬物送達研究への応用を目指し,ナノ粒子の血管壁透過性を無細胞系で評価した.さらに,血管周囲に存在する間質のモデルも作製し,ナノ粒子の間質透過性を定量評価した.これらはin vivo分析とin vitro分析とをつなぐ新たな生体モデルとして,幅広い応用が期待できる.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 65 (5), 241-247, 2016

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (23)*注記

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