知的障害者施設入所者における在所期間と口腔内状態および口腔に関連する支援状態の関連

  • 石川 裕子
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命福祉学専攻
  • 米澤 大輔
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命福祉学専攻
  • 葭原 明弘
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命福祉学専攻
  • 齊藤 一誠
    新潟大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野
  • 早崎 治明
    新潟大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Relationships among the Oral Condition of Users of Facilities for the Mentally Retarded, Quality of Oral Support for Them, and Period of Facility Use
  • チテキ ショウガイシャ シセツ ニュウショシャ ニ オケル ザイショ キカン ト コウコウ ナイ ジョウタイ オヨビ コウコウ ニ カンレン スル シエン ジョウタイ ノ カンレン

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抄録

本研究の目的は,知的障害者施設における利用者に対して,在所期間から知的障害者の口腔および支援の状態について検討することである.歯科診療室が併設されている「N知的障害者総合援護施設」利用者77名を対象とし,利用者の口腔内状態および口腔管理の支援状態を調査した.<br> その結果,利用者の平均年齢は47.0 ± 12.7歳(無回答2名),在所期間は0~9年が24名,10~19年が41名,20年以上が12名であった.在所期間10~19年では,0 ~9年より障害支援区分の重い人が多く統計的に有意な差があった.口腔内状態は,未処置歯所有率が在所期間20年以上で8.3%と低く有意な差がみられた.施設には歯科の設備があるにも関わらず,在所期間0~9年および10~19年で未処置歯所有率が高く,今後,フッ化物塗布などのう蝕予防の実施が必要と考えられた.食事形態,食事時間については在所期間別で有意な差はみられなかった.嚥下および歯磨き支援については,支援必要者と不要者では在所期間別で有意な差があり,在所期間が長くなると支援の必要者の割合が多く,支援の必要性が高いと考えられた.また,現在,特に嚥下検査を行っていないことから,今後,専門医による検査を在所期間に関係なく全員に実施するとともに,食事介助の見直しが必要と考えられた.

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