第116回日本耳鼻咽喉科学会総会モーニングセミナー 扁桃・アデノイドの基礎知識と手術治療に関連する問題点

Bibliographic Information

Other Title
  • 扁桃・アデノイドの基礎知識と手術治療に関連する問題点
  • ダイ116カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ モーニングセミナー ヘントウ ・ アデノイド ノ キソ チシキ ト シュジュツ チリョウ ニ カンレン スル モンダイテン

Search this article

Abstract

扁桃・アデノイド手術は耳鼻咽喉科専門医を目指す研修医が学ぶべき最初の手術の一つである. 扁桃の基本的免疫機能は, ①抗原を認識する場所, ②免疫記憶を作るための場所, ③免疫機能の中で実効性のあるものに変換する場所の3点に集約することができる. また, 口蓋扁桃は抗原の取り込みを効率的に行うために, かえって反復感染, 易感染性を起こしやすく「感染臓器」としての一面を持つ. 感染臓器としての反復感染には扁桃摘出手術が有効であるが, その治療指針や適応基準の作成が試みられている. 近年, 欧米では小児反復性扁桃炎の治療ガイドラインが作成されたためこれを紹介した. また, 小児睡眠時無呼吸症候群の原因である扁桃・アデノイド肥大のメカニズムを解説し手術適応基準についても言及し, 小児扁桃・アデノイド手術を取り巻くいくつかの疑問・問題点を整理した. 古くから議論されてきた術後の免疫機能の変化では, 一過性の免疫学的パラメーターの変化は認められるが臨床的には問題とならない. 耳鼻咽喉科手術解説書に一般的な手術手技が記載されているが, 実際には, 手術手技, 手術器具やその使い方 (電気メス使用の有無も含め) など, 手術に関して施設ごとに相違点がみられる. さらに, 術後合併症, 特に後出血については小児扁桃・アデノイド手術では重要な問題である. 特に, 術後5~7日に多い晩期後出血の要因には手術器具の違いなどが報告されているため紹介した.

Journal

Citations (2)*help

See more

References(24)*help

See more

Related Projects

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top