自然経過で縮小した多臓器(肝,肺,腎)炎症性偽腫瘍の1例

  • 五十嵐 俊三
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 土屋 淳紀
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 中野 応央樹
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 罇 陽介
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 山本 幹
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 横山 純二
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 横尾 健
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 上村 顕也
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 高村 昌昭
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 川合 弘一
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 山際 訓
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
  • 寺井 崇二
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case of spontaneously regressive inflammatory pseudo-tumor in multiple organs (liver, lung, kidney)
  • 症例報告 自然経過で縮小した多臓器(肝,肺,腎)炎症性偽腫瘍の1例
  • ショウレイ ホウコク シゼン ケイカ デ シュクショウ シタ タゾウキ(カン,ハイ,ジン)エンショウセイ ギ シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

症例は関節リウマチの診断で外来加療中の76歳女性.当科受診2カ月前から全身倦怠感,1カ月前から軽度右季肋部痛を自覚していた.近医を受診し,腹部超音波検査で肝右葉に35 mm大の腫瘤を指摘された.造影CTでは肝右葉から右腎に及ぶ造影効果の乏しい腫瘤に加え,両側腎,左肺に腫瘤を認めた.悪性腫瘍を疑い,肝生検目的で当科に入院した.腹部超音波検査では約2週間で肝腫瘤が16 mmに縮小していたが,診断目的で経皮的肝針生検を施行した.検体内には軽度炎症細胞浸潤を伴う高度線維化領域を認めたが,腫瘍性病変は指摘できなかった.組織像に加え画像検査で肝,腎,肺いずれの病変も縮小したことから,炎症性偽腫瘍と診断し経過観察の方針とした.本疾患はあらゆる臓器を原発とする可能性があり,しばしば悪性腫瘍との鑑別が困難で切除に至る症例もある.多発症例も報告されているが,検索し得た限りでは3臓器にわたる多発症例はなく貴重な症例と考え報告する.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 57 (6), 287-294, 2016

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (28)*注記

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