集団評判効果を通じた協力的制度の発生

書誌事項

タイトル別名
  • The Emergence of Institutions through Group Reputation Effect:
  • 集団評判効果を通じた協力的制度の発生 : 東京管理職ユニオンの事例から
  • シュウダン ヒョウバン コウカ オ ツウジタ キョウリョクテキ セイド ノ ハッセイ : トウキョウ カンリショク ユニオン ノ ジレイ カラ
  • ―東京管理職ユニオンの事例から―
  • A Case of Tokyo Managers' Union

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抄録

本稿では,コミュニティ・ユニオンの協力的制度に焦点をあて,制度の発生と集団の生成がどのような相互依存関係にあるのかを明らかにする.コミュニティ・ユニオンの援助行動は,間接互恵性に基づいていた.この間接互恵的交換のもつ時間差という性質からして,助け合いが発生し維持されるためには,後続の人が加入し集団が発展することが不可欠である.では組合員が少ない設立当時では組合員はどのように行為し,制度が発生するのだろうか.一方でコミュニティ・ユニオンでは抗議行動(協力的制度)などの外向きの活動によって新規の組合員を獲得するという事実が観察された.本稿ではこのような制度と集団の相互依存関係を明らかにすることが目的である.そのために,集団評判という概念を用いて集団規模の変化を組み込んだゲーム理論モデルを提示する.その結果,集団の拡大は協力的制度の発生に不可欠であり,かつ集団の拡大にプレイヤーの貢献が必要な場合は,設立時のプレイヤーが集団の拡大に寄与する利他的行動を行うことが明らかになった.

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