かゆみの脳内認知機構

  • 望月 秀紀
    Department of Dermatology and Temple Itch Center, Lewis Katz School of Medicine Temple University
  • 柿木 隆介
    自然科学研究機構生理学研究所統合生理研究系

書誌事項

タイトル別名
  • The Cerebral Mechanism of Itch

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抄録

 かゆみはかきむしりたくなる不快な体性感覚であり, アトピー性皮膚炎など皮膚疾患において多く認められる症状である. また, 末梢や中枢における神経疾患においてもかゆみが症状としてあらわれることがある. かゆみの治療では抗ヒスタミン薬が一般的に用いられているが, 疾患に伴うかゆみ (慢性掻痒) には十分な効果を示さないことが多い. そのため, より効果的なかゆみの治療法開発が強く望まれている. そのためにも, かゆみや慢性掻痒のメカニズムを理解することが重要である. 1994年, はじめてかゆみの脳機能イメージング研究が報告された. その後, さまざまな研究者によって健常者や慢性掻痒患者を対象にかゆみの脳研究が行われた. さらには, 非侵襲的脳刺激法を用いたかゆみの抑制に関する研究も行われた. 本稿ではこれまでに報告されたかゆみの脳研究について概説する.

収録刊行物

  • 脊髄外科

    脊髄外科 30 (1), 53-57, 2016

    日本脊髄外科学会

参考文献 (32)*注記

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