土壌の凍結・融解が細根リターを介して土壌の窒素動態におよぼす影響―北海道東部における野外操作実験からの考察―

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タイトル別名
  • Effect of soil freeze-thaw on soil nitrogen transformation through alteration of root litter

抄録

土壌が凍結する冷温帯林では初春に窒素無機化や硝化が増加することが知られており、土壌の凍結融解現象は、細根リターの物理的破砕等による溶存有機物濃度の変化を介して土壌微生物による窒素の生成・消費に影響していると考えられる。そこで本研究では、土壌の凍結融解が窒素動態に与える影響を細根リター・森林タイプ・凍結融解パターンの3要因で明らかにすることを目的とした。北海道東部に位置する京都大学北海道研究林のミズナラ林とカラマツ林から採取した土壌を2つに分け、一方にササ細根リターを添加した。それらをミズナラ林(下層植生:ササ)に設置した除雪区と対照区において2014年12月~2015年5月まで野外培養を行い、正味窒素無機化・硝化・DOC生成速度を測定した。また、培養後土壌の総窒素無機化・硝化速度、微生物バイオマスを測定した。GLMM解析から、細根添加により正味窒素無機化・硝化速度が低下する効果が認められた。さらに、各種実験処理が窒素動態におよぼす影響のメカニズムをPLSパス解析で分析したところ、細根リターの添加による土壌微生物を介した窒素動態への影響は採取した土壌の森林タイプによって異なっていた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706655616
  • NII論文ID
    130005166735
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_396
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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