屋久島におけるヤクタネゴヨウの球果および種子の生産量の変動

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タイトル別名
  • Variation of cone and seed productions of <i>Pinus armandii</i> var. <i>amamiana</i> in Yaku-shima island

抄録

レッドデータブックで「絶滅危惧IB類」であるヤクタネゴヨウは,屋久島で2,000個体,種子島で300個体ほどが自生しているとされるマツ属の常緑高木である。絶滅の危機に瀕しているヤクタネゴヨウに対し,自生地内外で適切な保全策を実施するため,自生地における個体群動態や繁殖状況等の情報の蓄積が急務である。本報告では,屋久島の自生地において球果ならびに種子の生産数を10年以上にわたって調査するとともに,球果に残存する胚珠を計数して受粉率を算出し,球果・種子生産数および受粉の状況の変動について整理した。球果の着生率は概ね50%以上で,個体あたりの平均着生数は20個以下の年がほとんどであった。球果当たりの平均種子数は20粒以下で受粉率は平均10-30%程度であった。球果当たりの充実種子数は5粒以下(充実率:20-40%)であった。以上のことから,ヤクタネゴヨウの球果・種子生産数は少なく受粉状況は好ましくないと推察された。ヤクタネゴヨウの健全な種子を生産し天然更新(自生地保全)を推進するためには,他家系との受粉環境が維持されていることが必要であり,現存する成木(繁殖個体)を適切に保全していくことが重要であることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390282680682145536
  • NII論文ID
    130005166788
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_551
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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