林業遺産の保存と活用をめぐる現状と課題―北海道の森林鉄道遺構を事例として  [in Japanese] Preserving and utilizing forestry heritage: a case of logging railroad remains in Hokkaido  [in Japanese]

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北海道では戦中戦後にかけて、伐採された国有林材を搬出するために多くの森林鉄道が敷設された。しかし、1968年に全線廃止され、それから50年近くが経とうとしている。遺構の多くが森の中に埋もれようとしている中、林業遺産としての価値を有する森林鉄道関連遺構の現状について、十勝上川、音更森林鉄道を中心に実態を把握を行った。その結果、十勝上川森林鉄道では土場や木造施設、トンネル、橋脚等の遺構が確認できた。また、遺構の中には地元教育委員会が説明板を設置している例も見られた。音更森林鉄道では、産業考古学系組織の熱心な働きかけによって修理工場が保存されているものの、補修が行われているわけではなく、保存状態は劣悪であった。以上のことから、遺構の一部は保存されてはいるものの、地域や行政の関心は必ずしも高いとはいえず、全体として遺構群が積極的に保存されている状況ではなかった。これらの遺構は、人と森林との歴史を今に伝える貴重な林業遺産であるといえるが、適切に保存していくためには、その学術的価値を明らかにするとともに、地域や行政にもわかりやすく伝えていくことも重要である。本研究はJSPS科研費26570031の助成を受けた。

[in Japanese]

Journal

  • The Japanese Forest Society Congress

    The Japanese Forest Society Congress 127(0), 5, 2016

    THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY

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