下刈り省略時の競合植生による被覆がカラマツ植栽木の個体成長に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Competitive effects of neighboring vegetation on growth of <i>Larix kaempferi</i> seedlings under reduced weeding frequency

抄録

下刈りの回数削減は、育林初期コストを低減する上で大きな課題となっている。本研究では、A:無下刈り、B:2・4年目下刈り、C:1・3・5年目下刈り、D:毎年下刈り、の4処理を設けた試験地において、カラマツ植栽木の成長を植栽から3生育期間にわたって調べた。3生育期間経過後の樹高・地際径は、D区で他の3区より有意に大きかった。一方、A・B・C区の間では、C区の地際径がA区を上回った以外に、有意差は認められなかった。また、2生育期間目の個体成長量に対し、下刈り直前(7月)の近隣の競合植生およびその年の下刈りの有無が及ぼす影響を線形モデルで解析した。その結果、樹高・地際径いずれの成長量も、競合植生の平均比高(植栽木の頂端を基準とした競合植生の平均高)に強い負の影響を受けていたが、下刈りの効果は有意ではなかった。すなわち、7月時点で高い競合植生に覆われていた植栽木は、その後下刈りが行なわれても当該生育期間内には成長が回復しなかった。カラマツにおいて、植栽初期の下刈り省略は著しい成長低下につながる可能性があり、良好な初期成長の維持には夏の初めに競合植生に覆われないような管理が重要と考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680683763072
  • NII論文ID
    130005167066
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_501
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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