グラフスペクトル解析を用いた平行座標系の軸縮約

書誌事項

タイトル別名
  • Axis Contraction of Parallel Coordinates Using Spectral Graph Analysis
  • グラフスペクトル カイセキ オ モチイタ ヘイコウ ザヒョウケイ ノ ジクシュクヤク

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抄録

高次元データの可視化で広く用いられ,次元間の相関を効果的に把握できる手法のひとつとして,平行座標系が知られている.しかし,平行座標系では,データのサンプル数及び次元数の増加に伴い,データに対応する折れ線や次元軸が重なり,視覚的にデータの把握が困難になる視覚的乱雑さが生じる.そこで本論文では,この問題を解決するために,各組の変数間の相関性の分析を通じて複数の座標軸を縮約することにより,全体のデータの次元数を減らして視覚的にわかりやすく平行座標系を描画する手法を提案する.具体的には,以下のような処理を行う.まず,軸をノードとして,各軸同士の相関係数を類似度と考えて,完全グラフを構築する.ただし,類似度がある閾値未満である場合は当該エッジを削除する.次に,こうして得られたグラフに対し,グラフスペクトル解析を用いて各軸の位置を1次元数直線上に写像し,得られた座標軸の順番に平行座標軸を並び替える.その後,写像した1次元数直線上において,最近接する軸の併合を順次行い,系統樹を描く.また,上記の操作時には,平行座標軸や系統樹にアニメーション効果を導入することで,座標軸の縮約及び展開の過程も視覚的に確認できる.このようにして,平行座標系の軸を縮約することで,高次元データをより少ない座標軸を用いて表示し,データに内在する大局的な振る舞いの視覚的な理解を実現する.さらに,本論文では次元間の相関がより明確に可視化されるかどうかを調べるため,相関にばらつきのあるデータを用いたユーザスタディにより,本手法の有効性を示した.

収録刊行物

  • 画像電子学会誌

    画像電子学会誌 44 (3), 447-456, 2015

    一般社団法人 画像電子学会

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