東アジアにおける確率的地域気候シナリオ情報の開発

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タイトル別名
  • Development of probabilistic regional climate scenario in East Asia

抄録

異常気象に伴う風水害の頻度や規模など気候変動リスクについて評価・分析を実施するための基盤的情報を創出することが急務となっている.増加する気候シナリオアンサンブル実験の不確実性を確率的に評価・表現することが可能な評価手法の開発が必要である.本研究は,多数の気候モデルによるシナリオ実験の信頼性を確率的に定量化する手法を開発し,基盤的な確率的気候ハザード情報の創出を行うことを目的とする. 本研究では, 気候シナリオアンサンブル実験の信頼性を定量化するために,確率分布を推定する手法(回帰モデル)を検討・開発し,確率分布の推定を行った.本研究の手法は,モデル誤差や観測誤差を予め設定する必要がなく,エミュレータ等の構築が不要で,他地域・他物理量への適用や空間詳細化への応用が容易である.CMIP3の21モデルを用いて東アジア域にこの手法を適用した結果、タイやベトナム,パプアニューギニアなど一部地域を除きほとんどの地域で,20世紀末から21世紀末にかけて月平均気温が2℃以上上昇する確率が70-80%であった.夏期より冬期の方が2℃以上上昇する確率が高い.一方,月平均気温が4℃以上上昇する確率は,熱帯地域ではほぼ10%以下であった.中緯度地域では,30-60%であり,冬期には60-70%の確率を示す地域が広がっていた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680689107840
  • NII論文ID
    130005176040
  • DOI
    10.11520/jshwr.29.0_3
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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