健康で文化的生活を保障するスポーツパフォーマンス研究
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- 福永 哲夫
- 鹿屋体育大学
Abstract
<p> スポーツ指導や運動処方は、一般に平均的データをベースとするエビデンスに基づき実施される。しかし、スポーツ活動は、同じプログラムが処方されたとしても、その効果の表れに個人の能力や資質、あるいは生活習慣ならびに外的な環境(スポーツ・トレーニングの実施環境、指導条件など)に応じた大きな違いを生む。この事は、スポーツが身体に与える効果の現れ方には、数多くの具体例が存在することを意味する。換言すれば、平均的なデータに基づくスポーツ指導や運動処方によって生じる効果の個人差に注目することが、「運動嫌い」を少なくし、「スポーツタレント」を発掘する手がかりを見いだすことにつながると考えられる。</p><p> 医学界では臨床例を提示した研究論文が数多く存在し、新しい医学の進歩に大いに貢献している。スポーツの研究領域においても、競技スポーツや健康スポーツあるいは教養スポーツの現場における数多くの実践例をエビデンスとして取り扱う研究領域(ここでは「スポーツパフォーマンス研究」と称する)の必要性を強く感じる。</p><p> スポーツに関する指導者、コーチ、実践者が自分の体験している様々な活動とその成果を公表し、スポーツパフォーマンス研究のエビデンスが集積され体系化されれば、既存の自然科学的あるいは人文社会学的研究の成果と有機的に関連し合うことができるようになる。そして、健康つくりや日常生活における「動ける身体の育成」に真に役立つとともに、競技力の向上に大きく寄与するスポーツ科学としての役割を果たすことが可能になると考えられる。</p>
Journal
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- Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences Conference Proceedings
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Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences Conference Proceedings 67 (0), 11_2-11_2, 2016
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205804862080
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- NII Article ID
- 130005244920
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- ISSN
- 24241946
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed