囊胞状リンパ管腫(リンパ管奇形)に対する越婢加朮湯の使用経験

  • 佐藤 英章
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院こどもセンター小児外科
  • 古田 繁行
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院こどもセンター小児外科
  • 眞鍋 周太郎
    聖マリアンナ医科大学病院小児外科
  • 辻 志穂
    聖マリアンナ医科大学病院小児外科
  • 北川 博昭
    聖マリアンナ医科大学病院小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • Therapeutic Experiences in <i>Kampo</i> Medicine, <i>Eppikajyutsu-tou</i>, Against Macrocystic Lymphangioma
  • ノウホウジョウ リンパカン シュ(リンパカン キケイ)ニ タイスル エツヒカジュツトウ ノ シヨウ ケイケン

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抄録

<p>【目的】従来リンパ管腫(リンパ管奇形)に対する治療の選択肢は硬化療法ならびに手術療法が選択されてきたが,近年漢方治療の報告が散見される.当院においても2013 年以降リンパ管腫全例に対し越婢加朮湯の投与を開始した.その使用経験を検討し,本症に対する越婢加朮湯の有用性を検証する.</p><p>【方法】2013 年から2015 年まで本症に対し越婢加朮湯を投与した10 例に対し,投与前後の画像所見ならびに臨床経過を検討した.</p><p>【結果】投与患者の投与開始時平均年齢は8 歳で,画像上リンパ管腫の消失・縮小までの薬剤投与期間は平均5.8 か月であった.発症部位は頭頸部6 例,体幹1 例,四肢3 例であり,病型内訳は全例囊胞状リンパ管腫であり,単房性1 例,多房性9 例であった.治療効果は縮小5 例,消失5 例であり,特に囊胞状リンパ管腫における囊胞の縮小消失により全体的な縮小を得た.全例とも投与中の感染,増大は認めなかったが,1 例に投薬終了後増大を認め再投与を要した.</p><p>【結論】越婢加朮湯を投与した囊胞状リンパ管腫10 例のすべてに縮小あるいは消失の効果が得られた.囊胞状リンパ管腫に対し本剤は有効と考える.</p>

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