キビ酢液施用によるリンの吸収がサトウキビの生育および養分吸収に与える影響

• 前里 和洋

  琉球大学農学部 鹿児島大学大学院連合農学研究科

• 中原 麻衣

  琉球大学農学部 鹿児島大学大学院連合農学研究科

• 小宮 康明

  琉球大学農学部

• 上野 正実

  琉球大学農学部

• 川満 芳信

  琉球大学農学部

書誌事項

タイトル別名

• Effect of Phosphorus Absorption Enhanced by Application of Bagasse Vinegar on the Growth and Nutrient Uptake in Sugarcane
• キビ サクエキシヨウ ニ ヨル リン ノ キュウシュウ ガ サトウキビ ノ セイイク オヨビ ヨウブン キュウシュウ ニ アタエル エイキョウ

抄録

サトウキビの登熟期にバガスの炭化物製造時に発生するキビ酢液を株元土壌へ施用し，その後の生育や養分吸収に与える影響を明らかにするために栽培試験および土壌分析を実施した．キビ酢液の処理が水に対して難溶性を示すリン酸三カルシウムの溶解に及ぼす影響について調査した結果，リン酸のイオン化が促進され，難溶性無機リンの可溶化が認められた．栽培試験の結果から，施用濃度100，50，10倍区および原液区の茎生体重および収量は対照区に比べ高くなる傾向にあった．甘蔗糖度は，対照区および施用区間で差異は認められなかったが，100倍区で高い値を示した．産糖量は，施用濃度100倍区が，他の施用濃度区および対照区に比べて有意に高かった．キビ酢液を施用した土壌の可給態リン酸は，対照区と比較して有意に高かった．搾汁液のリン含量およびケイ素含量は，キビ酢液を施用することで高まり，搾汁液のリン含有率およびケイ素含有率と甘蔗糖度とは正の相関関係が認められた．以上の結果，サトウキビの登熟期にキビ酢液を株元の土壌に施用することで，サトウキビのリン酸の利用率が改善され，甘蔗糖度など品質が向上することが示された．

収録刊行物

• 日本作物学会紀事

  日本作物学会紀事 85 (3), 309-315, 2016

  日本作物学会

キーワード

• 暗赤色土
• 甘蔗糖度
• キビ酢液
• サトウキビ
• リン酸

詳細情報

• CRID: 1390001204287224064
• NII論文ID: 130005253199
• NII書誌ID: AN00189888
• DOI: 10.1626/jcs.85.309
• ISSN: 13490990
• ISSN: 00111848
• NDL書誌ID: 027558760
• Web Site: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030902765
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I027558760
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcs/85/3/85_309/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可