革新的なソフトネス評価法 ティシューソフトネス測定装置TSAの紹介

書誌事項

タイトル別名
  • New Softness Evaluation Tissue Softness Analyzer TSA
  • カクシンテキ ナ ソフトネス ヒョウカホウ ティシューソフトネス ソクテイ ソウチ TSA ノ ショウカイ

この論文をさがす

抄録

ティシューが機能的であるか,そうでないかを決定するための最も重要な特性の1つは,「柔らかさ」である。<br>柔らかさを評価する実際に使える物理的な測定方法はないが,いわゆる「手触り感審査員」が手で手触り感を決定している。正確性の高い評価のためには,何人もの審査員の選択とトレーニングに関して高度な要求が求められる。しかし,避けられないエラーの許容範囲を下げること非常に難しい。そのため客観的な物理的試験方法が必要とされてきた。<br>その要求に応えるため独国emtec社より革新的なソフトネス測定装置ティシューソフトネスTSAが開発された。従来とは全く異なる方法で3つの物理量を検知し,アルゴリズムを用いて顧客の手触り評価(ハンドフィール)のランキングと相関づけすることが可能である。<br>TSAの原理を以下に記す。<br>まずティシューサンプルに触れたときのヒトの感触について,主に3つのパラメータの影響を考えている。<br>・本当の柔らかさ(一本の繊維の剛性等)<br>・滑らかさ・粗さ(クリープ加工・エンボス加工等)<br>・剛性(繊維の剛性等)<br>本当の柔らかさ,滑らかさを,装置によるブロードの回転で発生する振動・雑音を,振動センサーで検知し数値化する。剛性をサンプルに圧力をかけた時の変位で数値化する。<br>これらは個別に数値化されるため,個々のパラメータに着目した開発を行うことができる。さらにこれらパラメータをもとにアルゴリズムで顧客の手触り感評価との相関づけが可能である。今まで人による手触り感という主観的な評価から,客観的で信頼性の高い評価を得られる。この装置による実際の測定例も紹介する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 70 (5), 505-508, 2016

    紙パルプ技術協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ