イソシアナートのウレタン化反応過程におけるエネルギー,立体変化および置換基効果の分子シミュレーション

  • 染川 賢一
    鹿児島大学大学院理工学研究科, 〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-40
  • 満塩 勝
    鹿児島大学大学院理工学研究科, 〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-40
  • 上田 岳彦
    鹿児島大学大学院理工学研究科, 〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-40

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Simulation of Potential Energies, Steric Changesand Substituent Effects in Urethane Formation Reactionsfrom Isocyanates

抄録

<p>ウレタン樹脂の製造と物性に関する基本的情報である,イソシアナートのウレタン化反応性と触媒作用,生成するカルバミン酸とそのエステルの脱炭酸と安定性および副生物の挙動について,計算化学を用いて検 討した.その際各節に示す基本的な実験結果につき,反応過程のエネルギーと立体化学変化をMOPAC-PM6 法 でシミュレーションして解析した.置換フェニルイソシアナートとアルコールとのウレタン化反応性が,フロンティア軌道HOMOとLUMOのエネルギーを利用する置換基分子のMullikenの電気陰性度値((IP + EA)/2),と大きい相関係数で表されることを示す.そのウレタン化反応は,1:2モル比の6員環錯体を経て,遷移状態の活性化エネルギー(Ea)は4∼13 kcal mol−1 と検証された.メチルアミンとのウレア化は反応性が高いが,それは会合体を形成し易く,Ea が小さいためと判断された.遷移状態構造の結果からは,3分子間の水素結合とその役割が理解される.第3級アミンの触媒作用は,上記1:2 錯体中のプロトンの捕捉促進とNCOへの受け渡しで,Eaを低下させると解析された.イソシアナートと水の反応で生成するカルバミン酸の不安定で発泡の事実等に関しては,分解の素過程の Ea が11 kcal mol−1と低く,アミンと CO2 に分解すると検証された.</p>

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参考文献 (6)*注記

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