レクチン-金ナノ粒子凝集比色法を利用したラクトフェリンの迅速糖鎖修飾検出

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  • Rapid and Sensitive Detection of Protein Glycosylation Based on Lectin-induced Aggregation of Lactoferrin-modified Gold Nanoparticles
  • レクチン-キン ナノ リュウシ ギョウシュウ ヒショクホウ オ リヨウ シタ ラクトフェリン ノ ジンソク トウサ シュウショク ケンシュツ

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抄録

<p> タンパク質の糖鎖を迅速かつ簡便に検出する方法として,糖タンパク質修飾金ナノ粒子とプローブとしてレクチンを利用する金ナノ粒子凝集比色法について検討した。モデル糖タンパク質として用いた“ウシラクトフェリン”は,最適条件下,金ナノ粒子と混合するだけで,すみやかに金ナノ粒子に吸着することがわかった。さらに,その糖鎖は,粒子表面に吸着後もレクチンとの結合活性を失っておらず,ラクトフェリン修飾金ナノ粒子とマンノース特異的なレクチン“Con A”を混合すると,ラクトフェリンの高マンノース型糖鎖と Con A が結合し,金ナノ粒子が凝集することがわかった。このような凝集体の形成は,金ナノ粒子の吸収スペクトル特性を数分で変化させることから,紫外・可視分光光度計のような汎用分析機器を利用して迅速に検出できることがわかった。また,赤色から赤紫色へと変わる溶液の色調変化は,目視によっても容易に確認できることがわかった。さらに,吸収スペクトル変化から糖鎖-レクチン間の解離定数(Kd)を算出し,ラクトフェリンと Con A 間の結合が,糖鎖クラスター効果によって増強されていることを示唆する結果が得られた(Kd1=34 nM, Kd2=29 nM)。金ナノ粒子凝集比色法は,既存の糖鎖分析法に比べて操作性,簡便性,迅速性に優れ,各種糖鎖に特異的なレクチンを利用することによって,糖タンパク質の多様な糖鎖を検出できる可能性を秘めている。さらに,金ナノ粒子表面に吸着させたタンパク質の糖鎖検出のみならず,その未知レクチン様レセプターの検出にも利用できる可能性が高いことがわかった。</p>

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