多種の油脂を用いた琉球菓子“ちんすこう”の調製

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タイトル別名
  • Preraration of ryukyu confections "chinsuko" by using several kinds of oil and fat.

抄録

(目的)<br> 琉球王朝菓子ちんすこうは、豚脂(ラード)を使用し、西洋の焼菓子とは異なった食感と風味に特徴があり、保存性にもすぐれている。ラードの代わりに多種の油脂を用いて調製し、テクスチャーに与える影響を調べた。<br>(方法)<br> ちんすこうはラード(油脂)、薄力小麦粉(日清フーズ㈱)、砂糖(三井製糖㈱)で調製する。油脂は8種(ラード、バター、アボガドオイル、オリーブオイル、キャノーラ油、ココナッツオイル、胡麻油、米油)で、基本配合は予備実験より、小麦粉120g、砂糖90g、油脂58gとした。油脂を60℃に温め、砂糖を加え、みぞれ状態になったら、小麦粉を加えた。それを、Ø3.5㎝の大きさ(各15g)に形成後、150℃で28分焼成した。焼成後の試料は、重量、体積、比体積、水分含有率、表面の焼き色、破断特性を測定し、官能評価を行った。焼成後の伸びを示すスプレッド値は、直径(㎜)/厚さ(㎜)で算出した。製品の水分含有率は赤外線水分計(㈱ケット)で110℃、80分の条件下で測定した。破断特性はレオナーRE2-3305 B-1(山電(株))で測定した。<br>(結果)<br> 8種の油脂を用いた試料では、ラードを用いた試料より、破断応力および破断歪が低く、もろい製品であった。アボガドオイル試料、オリーブオイル試料では、もろさおよびもろさ歪がかなり低かった。キャノーラ油試料ではスプレッド値、比体積、水分含有率がラードに近い値を示した。ココナツオイル試料では、スプレッド値が6.0と最も高く、水分含有率は3.6%で最も高い値を示した。胡麻油試料ではもろさおよびもろさ歪が高く、水分含有率が2.6%で最も低かった。油の種類により、食感の異なるちんすこう製品ができた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670395648
  • NII論文ID
    130005264321
  • DOI
    10.11402/ajscs.28.0_25
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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