真皮内母斑を伴った背部悪性黒色腫の1例

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  • A case of malignant melanoma on the back colliding with an intradermal nevus

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抄録

<p>42歳,女性。初診20年以上前から背部に黒色斑を認め,数年前より徐々に尾側へ拡大した。初診時,背部に11×7mm大,境界明瞭だが非対称性で色調上均一な黒褐色斑を認め,頭側は小結節を伴った。ダーモスコピーでは尾側にblue-whitish veilを伴うblotch,頭側の結節部にhypopigmented structureless areaがみられ,これらの周囲にはatypical pigment networkが認められた。病理組織像では尾側の表皮内にS-100染色,HMB-45染色ともに陽性の異型メラノサイトの孤発性増殖を認め,一部は真皮内への浸潤がみられた。一方,頭側の結節部は表皮内に異型メラノサイトが散見されるものの,真皮内にはHMB-45染色陰性でmaturationを有し,付属器周囲に沿って浸潤する母斑細胞と考えられる胞巣を認めた。以上より,真皮内母斑を伴った悪性黒色腫と診断した。自験例では組織学的に表皮内の悪性黒色腫と真皮内の母斑細胞が近接して存在しており,後者が発生母地である可能性が否定できなかった。</p>

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