ホームブリーチング剤がバイオフィルムの象牙質脱灰病巣形成に及ぼす影響

DOI
  • 長谷川 晴彦
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 富山 潔
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 熊田 秀文
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 歯学教育学講座
  • 飯塚 純子
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 國松 雄一
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 浜田 信城
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔科学講座 微生物感染学分野
  • 向井 義晴
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Carbamide Peroxide on Dentin Demineralization in a Polymicrobial Biofilm Model

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抄録

<p> 目的 : 根面齲蝕の予防は高齢者にとって重要な課題である. 昨今, ブリーチングが幅広い年代にわたって受け入れられていることを鑑み, 本研究では, 過酸化尿素を主成分としたホームブリーチング剤の抗菌効果ならびに象牙質脱灰抑制効果を象牙質上に形成された多菌種バイオフィルムを用いて検討した.</p><p> 材料と方法 : 凍結保存した1被験者の刺激唾液を50倍希釈になるようにunbuffered McBain semidefined medium (0.2% sucrose添加, 0.2ppmF) に加え, ウシ象牙質歯根から取り出した直径6mm, 厚さ1.5mmの円盤状試片で嫌気培養することにより, バイオフィルムを作製した. 培養液の交換は10時間および14時間経過後に1日2回行った. 薬液は0.5%過酸化尿素水溶液 (0.5CP), 20倍希釈されたHiLite Shade Up (0.5HS) およびコントロールとして滅菌脱イオン水 (Cont) を用い, 培養開始から24時間後, 試料を各薬液で30分間浸漬処理した (各群n=6). 培養液のpHは, 培養開始から10時間, 処理直前, 処理後10時間, および処理後24時間に測定した. 生菌数 (CFU/ml) は, 処理直後および処理後24時間で測定した. また, 処理後24時間ではTransverse microradiography (TMR) にて, 各群の象牙質の平均ミネラル喪失量 (IML : vol%×μm) を測定した.</p><p> 結果 : 処理後10時間で0.5HSおよび0.5CPのpHが上昇した. また, 生菌数は処理直後, 処理後24時間ともに0.5HSおよび0.5CPがContと比較して有意に減少した. さらには, ミネラル喪失量は0.5CPがContと比べて有意な減少を示した.</p><p> 結論 : ホームブリーチング剤の主成分である過酸化尿素は, 象牙質上に形成されたバイオフィルム中の細菌数の減少ならびに象牙質脱灰抑制効果を示すことが確認された.</p>

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