高精度モーションキャプチャシステムを用いた刷掃動作の解析

DOI オープンアクセス
  • 余 永
    鹿児島大学大学院理工学研究科機械工学専攻
  • 兒玉 瑞希
    鹿児島大学大学院理工学研究科機械工学専攻
  • 稲田 絵美
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野
  • 齊藤 一誠
    新潟大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野
  • 冨山 大輔
    鹿児島大学大学院理工学研究科機械工学専攻
  • 武元 嘉彦
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野
  • 村上 大輔
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野
  • 森園 健
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野
  • 下田平 貴子
    鹿児島大学医学部・歯学部附属病院臨床技術部
  • 福重 雅美
    鹿児島大学医学部・歯学部附属病院臨床技術部
  • 北上 真由美
    鹿児島大学医学部・歯学部附属病院臨床技術部
  • 山﨑 要一
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Toothbrushing Motion with High Precision Motion Capture
  • 第4報:利き手と非利き手の刷掃動作の比較と解析
  • Fourth Report: Analysis and Comparison of Arm Movement between Dominant and Non-dominant Hand

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抄録

<p>ペングリップによる歯ブラシ把持法は,指先などの操作で歯ブラシの細やかな動きを制御することができるため,一般的に推奨されている把持法の一つである。しかしながら,低年齢児は上肢運動の安定性や協調性が低く,また習熟練度が低いために,ペングリップでの歯の刷掃は困難であることが推測される。</p><p>我々は,習熟練度が低い非利き手で歯を刷掃した際の刷掃動作を計測することで,低年齢児の運動不安定性を想定し,動作解析を試みた。</p><p>つまり,利き手と非利き手のそれぞれを作業手として上顎左右側頬側と口蓋側各部位を刷掃した際に,歯ブラシや上肢の各関節の動きがどのように異なるかを調べることで,以下の結論を得た。</p><p>1 .作業手の同側頬側磨き以外の刷掃において,利き手磨きと非利き手磨きの上肢運動には,ピーク周波数と効果量に違いがあることが分かった。</p><p>2 .特に作業手の反対側磨きは,利き手とその対になる非利き手の上肢運動のピーク周波数と効果量の違いが大きかった。</p><p>3 .ペングリップでの細かい歯ブラシの往復運動を営むためには,上肢各関節の協調運動が必要であることが分かった。</p><p>以上より,ペングリップによる刷掃動作は精度の高い運動であり,高い遂行練度を必要とし,上肢の協調運動が歯ブラシの往復運動に反映されることが分かった。</p>

収録刊行物

  • 小児歯科学雑誌

    小児歯科学雑誌 53 (3), 383-389, 2015

    一般財団法人 日本小児歯科学会

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