ネットワークの資源化と重層化

書誌事項

タイトル別名
  • Stratifying Networks and Using Them as Resources:
  • ネットワークの資源化と重層化 : 沖縄のノンエリート青年の居酒屋経営を事例に
  • ネットワーク ノ シゲンカ ト ジュウソウカ : オキナワ ノ ノンエリート セイネン ノ イザカヤ ケイエイ オ ジレイ ニ
  • ──沖縄のノンエリート青年の居酒屋経営を事例に──
  • A Case Study of Non-Elite Okinawan Youth Managing an <i>Izakaya</i>

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抄録

<p> 若者の「学校から職業へ」の移行過程をネットワークという視点から論じてきた研究は,ネットワークが若者を支える一方で,そのネットワークの閉鎖性・限定性が若者を職業達成から遠ざけることを強調してきた.こうした機能主義的な説明からは,限られた条件内で若者がいかにしてネットワークを活用し,その創造を図るのかという課題が導出される。<BR> 本稿は,ノンエリート青年という視角から,若者を主体的な存在として位置づけることで上記の課題に取り組んだ。具体的には,沖縄で居酒屋を経営する若者集団の経営実践を記述した。明らかになったことは,(1)地縁・血縁ネットワークを活用して居酒屋をオープンし,(2)そのネットワークはオープン後も活用され,(3)また,イベントの開催などを通じて職縁・客縁ネットワークを創造する側面であった。(4)そして,地縁・血縁・職縁・客縁ネットワークは,かれらの日々の働きかけによって維持されていた。<BR> 以上,若者を主体的な存在として位置づけることで浮かび上がってきたのは,ネットワークを資源化・重層化させながら,職業達成に向けて合理的に取り組む若者たちの姿である。本稿の意義は,従来の研究が看過してきたそれらの側面を実証的に示し,機能主義的説明の問題点を指摘した点にある。</p>

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