若年子宮頸がん患者の手術決意過程

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タイトル別名
  • The Decision-Making Process to Have Surgery among Young Women Diagnosed with Cervical Cancer
  • ジャクネン シキュウケイ ガン カンジャ ノ シュジュツ ケツイ カテイ

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抄録

<p>要 旨</p><p>本研究の目的は,若年子宮頸がん患者の手術決意過程を明らかにし,看護実践への示唆を得ることである.対象は,初発の子宮頸がんのために子宮頸部手術を受けた20歳以上30歳未満の女性9名で,退院後約6週間が経過した外来受診時に半構成的面接を行い質的帰納的に分析した.その結果,若年子宮頸がん患者の手術決意過程は,【一瞬の衝撃】に始まるが,『信じられる医師の存在』と【背中を押してくれる身内の存在】により【迷いのない手術決意】をし,それ以降『医師以外の情報の遮断』および【入院できる環境づくり】をして入院に至る過程であった.衝撃を一瞬のものにしたのは,【がんを取っても産めるという医師の太鼓判】と『出産への強い願い』であった.一方,【迷いのない手術決意】後【疑いの浮上】が起きる場合があった.その場合,【疑いを晴らす試み】をして疑いが解決すれば『詮索の中止』をする.『保身による質問の遠慮』をして疑いが解決できない場合であっても『詮索の中止』をして,【医師に従うしかないと手術決意】する場合もあった.また,この過程で『遊んでいる女という偏見への怯え』を抱え込む患者もいた.さらに,この手術決意過程にかかわる看護師の存在はきわめて希薄であった.看護師は,患者に迷いや疑問が生じた時,電話や電子メールによる相談にのることで,手術決意過程における人的資源となりうる存在であることを示していく必要があると示唆された.</p>

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