がん患者に対する漸進的筋弛緩法の継続介入の効果に関する研究

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タイトル別名
  • Effects of Repeated Interventions with Progressive Muscle Relaxation in Cancer Patients
  • ガン カンジャ ニ タイスル ゼンシンテキ キン シカンホウ ノ ケイゾク カイニュウ ノ コウカ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p>要 旨</p><p>本研究の目的は,がん患者の漸進的筋弛緩法(以下,PMR)介入による効果を免疫力を含めた生理学的評価より明らかにすること,またPMRによる体験内容を明らかにすることである.15名のがん患者を対象に2週間PMRを介入し,実施前後に唾液中分泌型免疫グロブリンA(以下,S-IgA),収縮期血圧値,脈拍数の測定を行い,実施後にインタビューを行った.その結果,S-IgAは実施後有意に上昇しており,収縮期血圧値と脈拍数も実施後ほとんど有意に低下していた.PMRについての主観的な体験は内容分析の結果,10カテゴリーが抽出され,そのうち【肯定的な気持ちになれる体験】が1週間,2週間共に最も多くの割合を占め,2週間後にはさらに増加していた.しかし【習得のプロセスで感じる困難さの体験】も挙げられたことにより対象の状態に合わせて指導していく必要性も示唆された.また,がんについての体験も6カテゴリー挙げられ,対象者はPMRを通して,研究者にがんの発症からの経過や今後に対して不安,また自分ががんになってしまった悔しさなど,がんについての思いも語っていた.2週間のPMRの体験は,S-IgAを上昇させたり,がん患者の心身をコントロールしていくために有効な技法であること,またPMRの指導の関わりを通して,がん患者の思いを表出できることが示唆された.しかし,がん患者は症状が悪化しやすいため,状態の落ち着いている時期からPMRの指導を行い習得できるよう支援していくことが重要である.</p>

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