稲作技術研修の参加要因と研修効果:マダガスカル中央高地におけるSRIの事例 Participation and Impacts of Rice Cultivation Training:The Case of SRI in Madagascar

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抄録

マダガスカル共和国は,稲の作付面積が全穀物の約8割を占め,コメの年間一人当たり消費量は120-140kgといわれる稲作国であるが,収量は2.6t/ha(2000-11年平均,FAOSTAT)と低く,その主要因として資金不足のために化学肥料の投入が過小であることが指摘されている。そこで,追加的な購入資材を必要とせずに高収量が期待できるSRI(System of Rice Intensification)の普及活動が様々な国際機関やNGOによって展開されている。SRIは,農学の素養を持つ宣教師ロラニエ氏がマダガスカルで農民技術の観察,自身の栽培試験に基づいて1983年に原則を確立した稲作技術で,当初は乳苗,正条疎植,1本植え,間断灌漑を基本としていた。しかし,その後の普及や研究の過程で,厳格な適用が困難な技術コンポーネントを省略したり独自の技術を追加するなど,現場試行的に改良が繰り返されている。SRIの増収メカニズム,技術としての新規性,定義の曖昧さなどについては論争が続いているが,農家の自助努力,創意工夫,相互学習などを引き出すエンパワーメント効果も評価されている。マダガスカルでは営農現場で慣行農法と比較して2~3倍の増収効果が確認認されているが,増収効果を発揮させるための生産基盤(灌漑・排水)の未整備,季節的に集中する追加的労働投入(深耕,除草),効果が短期的には明らかでない肥沃度管理(有機物の継続的投入),などのため普及は期待されるほどには進んでいない。SRIのように現場依存性,農家依存性の高い技術を効果的に普及しそのポテンシャルを発揮するためには,普及対象地域を絞り込み,生産環境に応じた技術体系化と継続的改良を担う農家の資質向上のための教育・研修が求められる。そこで,SRI研修への参加要因と研修効果の検証を目的に,農家聞き取り調査を実施した。

収録刊行物

  • 農業経営研究

    農業経営研究 52(3), 83-88, 2014

    全国農業構造改善協会

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    130005295354
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00200823
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    journal article
  • ISSN
    0388-8541
  • NDL 記事登録ID
    025885685
  • NDL 請求記号
    Z18-1079
  • データ提供元
    NDL  J-STAGE  JASI 
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