婚姻状況・家族形態と貧困リスク

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タイトル別名
  • Marriage, Family Type, and Poverty Risk
  • コンイン ジョウキョウ ・ カゾク ケイタイ ト ヒンコン リスク

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抄録

1995年と2005年の全国調査(SSM調査)データを使用し,社会階層要因(回答者本人とその配偶者の学歴,就労と職業)の影響を統制したうえで,「婚姻状況と家族形態」と貧困リスクとの関連について検討した.分析結果は次の諸点をしめした.第1に,家計水準そして貧困にたいして婚姻状況と家族形態がもつ影響は,社会階層要因による影響ほど強くないが無視できないものだった.第2に,婚姻状況と家族形態からみた貧困リスクの格差は10年間で変化していなかった.第3に,家族形態による貧困リスク格差には男女とも年齢段階間での相違がみられ,これらの相違は他の家族員扶養によるリスク負荷と家族内の相互扶助関係によるリスク低減の双方が反映されていた.また婚姻状況による貧困リスク格差は男性だけに年齢段階間の相違がみられた.最後に,女性の貧困リスクは男性よりも家族形態の影響を受けやすく,家族内扶助関係が欠如する場合に貧困にたいして脆弱だった.

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