幾何計算と陰影計算を用いたホロウマスク型錯視立体「陰影つき矢印の幻惑」の設計法

  • 友枝 明保
    武蔵野大学工学部 准教授
  • 小野 隼
    明治大学大学院先端数理科学研究科 H25年度卒業生
  • 杉原 厚吉
    明治大学大学院先端数理科学研究科 特任教授

書誌事項

タイトル別名
  • Design Procedure for Hollow-mask Type Illusionary Solid “Deluding Arrows with shading” Built on the Computation of Geometric Shape and Shading Effect
  • キカ ケイサン ト インエイ ケイサン オ モチイタ ホロウマスクガタサクシ リッタイ 「 インエイツキ ヤジルシ ノ ゲンワク 」 ノ セッケイホウ

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抄録

クレーター錯視やホロウマスク錯視は,知覚する立体の凹凸が反転して見える錯視として有名である.クレーター錯視では,照明がもたらす陰影によって凹凸が反転すること,ホロウマスク錯視では,凹凸の反転に加えて,観察者の視点位置の変化に伴った立体の回転運動が錯視として観察されることが知られている.「矢印の幻惑」(友枝・杉原,2012)は,計算によって得られたくぼんだ構造を持つ矢印型の新しい錯視立体であり,クレーター錯視やホロウマスク錯視と同様の錯視現象が観察される.さらに,「陰影付き矢印の幻惑」(友枝・小野・杉原,2013)は,適切な陰影を与えることで,平面に描かれた矢印と錯視立体を同一のデザインとして見せることに成功している.本稿では,これらの作品を創作する数理的な方法として,くぼみ構造を持つ矢印型の錯視立体を構成する幾何計算,および,凹凸復元の手がかりとなる各面の陰影を計算する方法について解説する.

収録刊行物

  • 図学研究

    図学研究 49 (4), 3-9, 2016

    日本図学会

参考文献 (12)*注記

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