広汎性発達障害における多チャンネル近赤外線スペクトロスコピーを用いた表情処理過程

  • 中土井 芳弘
    四国こどもとおとなの医療センター児童精神科 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野
  • 渡部 幸奈
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野
  • 細川 麻衣
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野
  • 住谷 さつき
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野
  • 大森 哲郎
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Activation in the prefrontal cortex during facial expression processing in pervasive developmental disorder using near-infrared spec-troscopy
  • コウハンセイ ハッタツ ショウガイ ニ オケル タチャンネル キン セキガイセン スペクトロスコピー オ モチイタ ヒョウジョウ ショリ カテイ

この論文をさがす

抄録

広汎性発達障害(pervasive developmental disorders ; PDD)における社会的相互関係の障害を代表するものとして,顔認識や表情処理の障害があげられる。 我々のグループでは,これまでに健常者を対象に,感情価の異なる表情刺激を呈示した際の前頭前野活動性を近赤外線スペクトロスコピー(near-infrared spectroscopy ; NIRS)を用いて調べ,恐怖表情では喜びの表情と比べ酸素化ヘモグロビン変化量の増加が大きいことを示した。また,恐怖表情における血流量変化と自閉症傾向を示す自閉症スペクトラム指数との間で有意な負の相関が認めることを見いだした。 ついで我々は PDD 14名と年齢,性別の一致した健常対照群14名を対象とし,恐怖表情処理過程における前頭前野活動性を検討し,酸素化ヘモグロビン変化量は健常対照群と比べPDD群で有意に小さいことを示した。 NIRSは非侵襲性と簡便性を併せもち,心理的および身体的負担が少ないことから,発達障害の病態研究において有用なツールになりうると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ