日本版敗血症診療ガイドライン2016 目次・要約・基本理念と概要

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Abstract

2012年に日本集中治療医学会が発表した日本版敗血症診療ガイドラインの改訂に際し,日本集中治療医学会と日本救急医学会合同の特別委員会が組織された。単なる改訂版の位置づけではなく,一般臨床家にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることで,広い普及を目指した。いくつかの注目すべき領域と小児領域を新たに追加し,計19領域,89 に及ぶ臨床課題[クリニカルクエスチョン(clinical question, CQ)]を網羅した。大規模ガイドラインであることや,この領域における本邦の実情を鑑みて組織編成を行い,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を組織した。質の担保と作業過程の透明化を図るための様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計3回行った。さらに,将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をメンバーに登用した。当初の狙い通り,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築が進み,これを基盤に,ガイドラインとは独立して多施設研究や独自のシステマティックレビューを行い論文化するなどの動きが生まれ,今なお活発となっている。また,敗血症診療を広くカバーする意味でも,両学会が協力して作成した意義は大きい。本ガイドラインがベースとなり,救急・集中治療領域における本邦からのエビデンス発信のプラットフォームが形成されることを願ってやまない。<br>なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。

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