ビタミンC誘導体のイオントフォレーシスによる色素斑に対する臨床効果

  • 船坂 陽子
    神戸大学大学院医学系研究科応用分子医学講座皮膚科学教室
  • 松中 浩
    常盤薬品工業株式会社 ノブ事業部
  • 榊 幸子
    常盤薬品工業株式会社 ノブ事業部
  • 山村 達郎
    株式会社ノエビア 神戸研究所
  • 山本 麻由
    神戸大学大学院医学系研究科応用分子医学講座皮膚科学教室
  • 錦織 千佳子
    神戸大学大学院医学系研究科応用分子医学講座皮膚科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical and Objective Evaluation of Vitamin C Derivative with Iontophoresis on Facial Pigmented Macules

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抄録

イオントフォレーシスによるビタミンC誘導体の日光性黒子や雀卵斑などの色素斑に対する効果を確認するために,2種類のイオントフォレーシス装置を用いた臨床試験を実施した。<BR>5%リン酸L-アスコルビルナトリウムを,院内用のイオントフォレーシス装置にて医師が週1回3ヵ月,家庭用のイオントフォレーシス装置にて被験者自身が1日1回4ヵ月,それぞれ片顔にイオントフォレーシスを施行し,もう一方は対照側として無塗布および単純塗布のhalf face法とした。<BR>皮膚所見ならびに画像解析の結果,イオントフォレーシス側において,それぞれ32例中31例,37例中37例に有効性を認め,対照側よりも高い改善効果を得た。<BR>また,分光測色計を用いた皮膚色の測定によって皮膚が明るくなることが,さらにレプリカを用いた皮膚表面の形態観察によって皮溝と皮丘から形成される頬部のきめが均一になることがわかった。<BR>以上のことから,イオントフォレーシスは,ビタミンC誘導体の色素斑に対する効果を高めるとともに,皮膚色やきめをも改善することが明らかとなった。

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 4 (3), 299-308, 2005

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

被引用文献 (1)*注記

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