アリ擬態現象から探る熱帯の生物多様性創出・維持機構 Through the Looking-Glass: the roles of ant-mimicry in creating and maintaining tropical biodiversity

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著者

    • 橋本 佳明 Hashimoto Yoshiaki
    • 兵庫県立大学自然環境科学研究所/兵庫県立人と自然の博物館 Institute of Natural and Environmental Sciences, Hyogo University/ Museum of Nature and Human Activities, Hyogo

抄録

アリ類の多様性がきわめて高い熱帯林では、アリ類に擬態する生物の多様性も高いことが知られている。本研究では、ボルネオ島のランビルヒルズ国立公園をはじめ、東南アジア熱帯林で、多様性創出維持機構としてのアリ擬態の実態を解明するために、アリ擬態するハエトリグモ科アリグモ属の種多様性と同所に出現するアリ類多様性との関係や、画像解析技術を活用したアリグモ類の擬態マッチングの解析、安定同位体を用いたアリグモ類の食物連鎖解析、供餌実験等によるアリグモ類の採食生態の調査などを行ってきた。その結果、同所に出現するアリグモとアリ類の間で種多様性や擬態関係に密接な関係が見いだされることを明らかにすることができた。さらに、アリ擬態現象がアリグモと非擬態クモ類との「すみわけ」やアリグモ種間の「喰い分け」のメカニズムとしても機能している可能性も分かってきた。これらのことは、熱帯でのアリ類の高い多様性がアリ擬態現象を介して、アリグモ類の多様性を創出する鋳型となり、さらに、その多様性を維持する多種共存機構や生態系安定化の機構となっていることを示唆している。

収録刊行物

  • 日本生態学会誌

    日本生態学会誌 66(2), 407-412, 2016

    日本生態学会暫定事務局

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    130005406231
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00193852
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    journal article
  • ISSN
    0021-5007
  • データ提供元
    J-STAGE  JASI 
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