P1-40 RA患者における末梢血,関節滑膜中のTh22細胞の分布と病態との関連

抄録

<p>  【目的】RA病態におけるTh22細胞の意義は不明である.今回,RA患者末梢血及び滑膜組織におけるTh22細胞の分布と病態の関連を解析した.【方法】活動期RA患者80例と健常人(HC)14例の末梢血ヘルパーT細胞サブセットをフローサイトメトリーにて検出し,臨床兆候や検査所見との関連を解析した.bDMARDs導入24週後のRA患者48例における治療前後のT細胞サブセットを比較した.RA,変形性関節症(OA)患者関節滑膜を用いてTh22細胞とTh22細胞が発現するケモカイン受容体のリガンド(CCL17,CCL20,CCL28)の局在を比較した.【結果】RA患者末梢血ではHCと比しTh1,Th17,Treg細胞は差が無かったが,CCR4+CCR6+CCR10+Th22細胞の割合は減少し,Th22細胞の割合のみ疾患活動性と負に相関した.bDMARDs導入24週後,RA患者の疾患活動性は改善したが,Th1,Th17,Tfh,Treg細胞の変化がなく,Th22細胞の割合のみ増加した.OA滑膜にTh22細胞とリガンドはほとんど存在しなかった.RA滑膜にはTh22細胞が多く浸潤し,リガンドの高発現を認め,共に高疾患活動性の症例で顕著であった.【結論】Th22細胞は活動期RA患者において末梢血で減少し滑膜組織により多く浸潤していた.末梢血Th22細胞の割合はbDMARDs療法による疾患活動性改善に伴い正常に復した.Th22細胞がCCR4,CCR6,CCR10を発現することで,CCL20等のリガンドを高発現する活動期RA患者の滑膜組織へ集積し,炎症病態形成に関与している可能性を示唆した.</p>

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