ホルモン療法を受ける乳がん患者の更年期症状の実態

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タイトル別名
  • Menopausal Symptoms in Breast Cancer Patients Receiving Hormonal Therapy
  • ホルモン リョウホウ オ ウケル ニュウガン カンジャ ノ コウネンキ ショウジョウ ノ ジッタイ

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抄録

<p>要 旨</p><p>本研究では,ホルモン療法を受ける乳がん患者の更年期症状の実態を明らかにし,ホルモン療法を受ける患者に対する看護支援のあり方を検討することを目的とした.調査は,無記名の自記式質問紙を用いた質問紙調査とし,郵送法で回収した.調査項目は,基礎情報,更年期症状(10項目),健康状態(9項目)であった.更年期症状の測定には,簡略更年期指数(Simplified Menopausal Index:SMI)を使用した.分析にはSPSS ver. 18を用いて記述統計の後,ホルモン剤の種類および治療期間で更年期症状を,さらにSMIの重症度で健康状態を比較した.</p><p>質問紙は133名に配布し,83名から回答を得た(回収率62.4%).年齢は平均52.5(SD=8.4)歳,ホルモン療法の平均期間は24.7(SD=17.2)カ月であった.調査した10の更年期症状すべてにおいて出現率は50%を超えており,高頻度に症状が出現していることが明らかになった.重度の更年期症状が出現している者は20名(24.1%)おり,約4人に1人の割合で更年期症状に対する治療・ケアが必要であることが示された.また,重度の更年期症状が出現している場合には,健康状態に有意な差が認められた.ホルモン剤の治療期間では更年期症状に有意な差はなく,治療開始時から同様の症状が継続していた.重度の更年期症状の出現は,健康状態に影響を及ぼし,QOLを低下させる可能性がある.しかしながら実際には,更年期症状に対する治療・ケアを受けている者はおらず,重症度に応じたケアを行うことの必要性が示唆された.</p>

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