角化細胞カリクレイン発現および皮膚バリア

DOI
  • 森実 真
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科

書誌事項

タイトル別名
  • Kallikrein Expression in Keratinocytes and Skin Barrier

この論文をさがす

抄録

セリンプロテアーゼである組織カリクレインは表皮角層のバリア機能に影響を与える。表皮角化細胞では特にカリクレイン5(トリプシン型セリンプロテアーゼ)とカリクレイン7(キモトリプシン型セリンプロテアーゼ)が高発現している。これらの組織カリクレインは,正常皮膚においては表皮角層の剥離を促す。アトピー性皮膚炎では組織カリクレインが過剰発現し,制御因子との均衡が崩れ,接着分子の分解がおこり微生物やアレルゲンが侵入しやすい表皮に変化すると考えられる。我々の研究では Th2 サイトカインが表皮における組織カリクレインとプロテアーゼインヒビターとの均衡を変化させ,アトピー性皮膚炎のバリア機能低下に関与する可能性が示唆された。(皮膚の科学,増16: 29-33, 2011)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 10 (Suppl.16), 29-33, 2011

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ