深部CSMT法による台湾電力総合研究所CO<sub>2</sub>地中貯留実験場のモニタリングのための事前適用

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タイトル別名
  • Preliminary application of the CSMT method for monitoring of an experiment site of CO<sub>2</sub> geological storage by the Taiwan Power Research Institute
  • 深部CSMT法による台湾電力総合研究所CO₂地中貯留実験場のモニタリングのための事前適用
  • シンブ CSMTホウ ニ ヨル タイワン デンリョク ソウゴウ ケンキュウジョ CO ₂ チチュウ チョリュウ ジッケンジョウ ノ モニタリング ノ タメ ノ ジゼン テキヨウ

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抄録

<p>台湾電力は台中市沿岸域にあるCO2地中貯留実験場において,深度2500mの堆積軟岩を対象に注入試験を計画している。深部電磁探査法は貯留したCO2を比抵抗の変化としてモニタリングする手法として期待されているが,将来の大規模な注入実験を行う前に,貯留層の初期の比抵抗構造を把握しておく必要がある。ここで,従来のCSAMT法は,人工ノイズの影響で送信源と受信点の距離を充分離すことが出来ず,探査深度は1000m以浅に限られていた。本報では,まず深度2500mの帯水層のモニタリングが可能かを検討するため,CO2貯留を想定した数値モデルによるシミュレーションを行った。その結果,注入総量が100Mtonに達すると見掛比抵抗で約5%増加することが分かった。次に,深度3000mまでの比抵抗構造を探査する事を目的に,本実験場より15km離れた地点に5km長の電流信号源を設置し,城森ほか(2010)による送信源とのGPS同期による高い周波数分解能でデータ取得が可能なGeo-SESシステムを使用して,8192~0.015625Hzを受信する深部CSMT法を行った。その結果,強力な低周波数ノイズがある環境下においても,デジタルフィルタおよび隣り合う測点でのE/Hベクトルを加算平均することにより,比較的品質の良い見掛比抵抗・位相差が算出できた。また,信号源を考慮したニアフィールド補正を行うことにより,低周波数0.0625Hzまで有意なデータを得ることができた。更に,1次元および2次元解析により得られた深度3000mまでの比抵抗断面は,電気検層や岩石試料による比抵抗と深度2000m以深でほぼ整合し,本手法の有効性が確認できた。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 70 (0), 12-24, 2017

    社団法人 物理探査学会

参考文献 (7)*注記

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