生物多様性に配慮した地域版の緑化指針を作成するための研究プロセス―山梨県における事例―

書誌事項

タイトル別名
  • Study process to establish the local guideline for biodiversity-conscious revegetation: the case of Yamanashi prefecture
  • セイブツ タヨウセイ ニ ハイリョ シタ チイキバン ノ リョッカ シシン オ サクセイ スル タメ ノ ケンキュウ プロセス : ヤマナシケン ニ オケル ジレイ

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抄録

緑化工においても生態系・種・遺伝子レベルでの生物多様性への配慮が求められている。これに対応して国は生物多様性保全に配慮した緑化指針を策定した。本報告ではこれらの指針に基づき,地域の特性に適合した地域版の指針を作成するために山梨県で実施した一連の研究のプロセスを報告する。はじめに,国の緑化指針に基づき地域版の基本方針を設定した。次に,地域版の指針をより現地の実情に適応させるために,施工に関するゾーニングや数値を伴う基準などの具体化すべき項目を整理した。これらの各項目を明らかにするために外来緑化植物の分布調査や,緑化試験,既設施工地の植生の状態に関する解析を行った。その結果,外来緑化植物の半自然草原群落おける分布,自然侵入促進工のうち費用対効果の高い工法,緑化成績と種子の導入量や環境条件の関係を明らかにした。これらの結果に基づき,施工地の生物多様性保全の重要性と緑化成績に影響を与える条件に応じて工法を選択する指針案を作成した。今後は指針案における不確実性を補うため,施工地のモニタリング結果を指針にフィードバックさせる体制が必要と考えられた。

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