寒冷凝集素症を合併した脾辺縁帯リンパ腫

  • 越智 清純
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 横山 和明
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 大野 伸広
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 大田 泰徳
    東京大学医科学研究所附属病院 病理診断科
  • 東條 有伸
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科

書誌事項

タイトル別名
  • Splenic marginal zone lymphoma complicated by cold agglutinin disease
  • 症例報告 第4回日本血液学会関東甲信越地方会 優秀演題 寒冷凝集素症を合併した脾辺縁帯リンパ腫
  • ショウレイ ホウコク ダイ4カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ユウシュウ エンダイ カンレイ ギョウシュウソショウ オ ガッペイ シタ ヒヘンエンタイ リンパシュ

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抄録

<p>脾辺縁帯リンパ腫はリンパ腫全体の1%未満の頻度を占める脾原発低悪性度B細胞リンパ腫であり,様々な自己免疫性疾患を合併することが知られている。症例は48歳女性。前医にてステロイド治療抵抗性の慢性寒冷凝集素症として当科紹介受診となる。入院時,発熱ならびに労作時動悸・息切れを認めるとともに脾腫を認め,血液検査では重度貧血,寒冷凝集素価高値・可溶性IL-2R高値を示した。全身PET/CT検査では明らかなリンパ節腫大を認めなかったが,脾腫とともに脾臓・全身骨においてFDP集積を認めた。脾原発悪性リンパ腫を疑い脾摘を施行し,病理検査にて脾辺縁帯リンパ腫と診断した。脾摘に引き続きrituximab単剤療法(375 mg/m2)を8サイクル施行し,全身症状の改善とともに貧血の改善を認めた。脾辺縁帯リンパ腫における特徴的な所見とともに,全身PET/CT検査を用いた画像診断の有効性,そのほかの低悪性度B細胞リンパ腫との鑑別,脾摘の意義とともにrituximabの有効性について考察する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (2), 132-137, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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