高齢者の体幹伸展運動における筋活動の比較-当院で考案した装置と座位での体幹伸展運動の比較-  [in Japanese]

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Author(s)

    • 森田 直明
    • さいたま記念病院 リハビリテーションセンター
    • 上野 貴大
    • さいたま記念病院 リハビリテーションセンター
    • 強瀬 敏正
    • さいたま記念病院 リハビリテーションセンター
    • 荻野 雅史
    • さいたま記念病院 リハビリテーションセンター

Abstract

【目的】<BR>高齢者の加齢性立位姿勢変化に伴う脊柱起立筋の筋力低下に対する運動療法として、腹臥位での上体反らし運動が有効とされている。しかし、臨床場面では、高齢者が腹臥位をとることは困難であり、座位での体幹伸展運動、座位での背伸び運動が一般的である。当院では、傾斜台上に半円形の発砲スチロールの台を固定し、骨盤、大腿、下部腰椎をベルトで固定することで腹臥位をとり、体幹伸展運動を行える装置を考案した。本研究の目的は、体幹伸展運動を当院で考案した装置と座位での体幹伸展運動、座位での背伸び運動とで胸部脊柱起立筋、腰部脊柱起立筋に着目し筋電図学的に比較することである。<BR>【方法】<BR>対象は、平成23年10月21日から平成23年11月1日までの期間で当院に入院しリハビリテーションを施行した65歳以上の脳血管疾患、大腿骨頸部骨折、廃用症候群の既往を有する例のうち加齢性立位姿勢変化を呈した13例(男性4例、女性9例、平均年齢79.1±8.3歳)とした。運動課題は、(1)椅子座位での体幹伸展運動、(2)椅子座位での背伸び運動、(3)当院で考案した装置での体幹伸展運動:傾斜60°、(4)当院で考案した装置での体幹運動:傾斜45°の4課題とした。対象者には、4つの運動課題をそれぞれ3回施行し、左右胸部脊柱起立筋、左右腰部脊柱起立筋の筋活動を計測した。筋活動の記録には、Noraxon社製表面筋電図測定装置マイオシステム1400を使用し、解析には、マイオリサーチXPを用いた。筋電図解析には、フィルター処理、整流化、スムージングを行った後に、各マーカー間での総筋活動量を積分値で算出し、各3回の平均値を求め比較した。統計学的処理にはSPSS for windows10を用い、Friedman検定を行い、有意水準5%とした。なお、本研究は、対象またはその家族に研究の同意を得た上で施行した。<BR>【結果】<BR>各群間における測定結果の比較検討では、脊柱起立筋の筋活動において、運動課題(1)、(2)、(3)、(4)の順で有意に高くなった。<BR>【考察】<BR>今回の結果より、座位で行える簡便な運動よりも、腹臥位に近い環境で行う運動の方が胸部脊柱起立筋、腰部脊柱起立筋に大きな筋活動を促せることが筋電図学的に示された。これは腹臥位をとることで、抗重力肢位での体幹伸展運動が可能となったことにより得られた効果と考えられ、腹臥位での上体反らし運動が有効とされる過去の報告と一致する結果であった。<BR>【まとめ】<BR>腹臥位での体幹伸展運動の方が座位での運動と比べより大きな筋活動が得られることが示された。腹臥位をとることが困難な場合が多い高齢者でも方法を工夫し、腹臥位での体幹伸展運動を行うべきと考えられる。<BR>

Journal

  • 関東甲信越ブロック理学療法士学会

    関東甲信越ブロック理学療法士学会 31(0), 61, 2012

    社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会

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