抑制コントロールによる記憶と気分の変化

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  • Change of memory and mood by suppression control.

抄録

記憶の意図的な抑制によって想起が困難となることが示されてきた.また,記憶抑制時に扁桃体の賦活低下がみられるという報告もあり(Depue et al., 2007),記憶抑制によって感情情報が変化する可能性が示唆されている.これらの点から,記憶の意図的抑制の効果は,感情情報の処理に何らかの影響を与え,気分変化をもたらすことが予想される.一方で,気分の変化は感情制御によってもたらされることも知られている(Gross, 1998).そこで本研究では,記憶の意図的抑制もしくは感情制御を行った後,手がかり再生および気分測定によって記憶と気分への影響を検討した.その結果,記憶抑制を行った場合でもネガティブ気分の改善が認められ,感情制御を意図した場合でも記憶低下が見られた.以上の結果から,認知情報の抑制と感情制御は関連した過程を含んでいることが考えられ,それらの相互作用については今後の検討課題である.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680652582784
  • NII論文ID
    130005456298
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2012.0_105
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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