Influence of Ca2+ in diluent on in vitro fertilization of vitrified bovine oocytes

DOI

Bibliographic Information

Other Title
  • ウシガラス化卵子の体外受精に及ぼす希釈液中のCa2+の影響

Abstract

【目的】卵子は,精子あるいは胚と比較して超低温保存が困難である。その原因として,耐凍剤に含まれるCa2+の細胞内における増加が卵子に悪影響を与えることが示唆されている。そこで本研究では,ガラス化したウシ体外成熟卵子の加温時およびガラス化液希釈時におけるCa2+の濃度が,その後の受精能および発生能に及ぼす影響について体外受精(IVF)により検討した。【方法】と体卵巣から採取した卵子の卵丘細胞が2または3層付着したものを体外成熟培養して用いた。ガラス化は,0.6 M エチレングリコール(EG)で12-15分間平衡後,5.6 M EG+6.3 mM ポリビニルピロリドン+0.4 M トレハロース(Tre)に30秒間浸漬し,Cryotopにより液体窒素に投入して超急速に行った。ガラス化液の希釈は,基本液とした20% FCS+PBS(-)にCa2+を0,0.45または0.9 mM添加した0.3 M Tre溶液に1-2分間入れて加温後,同Ca2+濃度に調整した0.15 M, 0.075 Mおよび0.0375 M Treに順次曝して段階的に行った。対照にはガラス化を経ずにIVFを行った新鮮区と基本液をTCM199とした区を設けた。2hの修復培養後にIVFを行い,卵子の生存性,胚発育性および胚盤胞の細胞数を異なるCa2+濃度の3試験区と2対照区の5区間で比較した。【結果】形態学的にみた卵子の生存率は,新鮮区に比べ0 mM区および0.9 mM区が有意に低かった。正常受精率,Day2(IVF=Day0)の卵割率およびDay7-9の胚盤胞発生率は,新鮮区がほかの区に比べて有意に高かった。胚盤胞の細胞数に有意な差はなかった。これらのことから,本実験で用いたガラス化液希釈液中のCa2+の濃度が,ガラス化保存された卵子の生存性,体外受精における受精能,胚発育性および胚の品質に与える影響は少ないことが示唆された。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680692036864
  • NII Article ID
    130005457572
  • DOI
    10.14882/jrds.105.0_1083
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top