中期多臓器発がん性試験におけるDMHの用量検討
書誌事項
- タイトル別名
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- A dose range finding study of initiator (DMH) in the medium-term multi-organ carcinogenesis bioassay
抄録
【目的】中期多臓器発がん性試験法ではN-nitrosodiethylamine (DEN)、N-nitroso-N-methylurea (MNU)、N-butyl-N-(4-hydroxybutyl)nitrosamine (BBN)、1,2-dimethylhydrazine dihydrochloride (DMH)、diisopropanolnitrosamine (DHPN)でイニシエーション処置を行う。そのうち、特にDMHは組織障害性が強く認められることから、現在の投与用量を半減した場合の腫瘍の発生率及び個数について検討を行った。<br>【方法】F344/DuCrlCrlj雄ラットを用い、これまでと同様の方法でDENを実験開始時に1回100 mg/kgを腹腔内投与し、その後2週間BBNを0.05%の濃度での飲水投与と同時に MNUを20 mg/kgの用量で4回腹腔内投与した。その後、実験3週から4週の2週間、DHPNを0.1%の濃度で飲水投与し、DMHについては、これまでと同様の40 mg/kg及びその半量の20 mg/kgを4回皮下投与した。イニシエーション処置終了時から25週経過後に剖検を実施し、DMHの標的臓器である大腸を中心に腫瘍の発生頻度及び発生個数について検討した。<br>【結果及びまとめ】生存率は40 mg/kg群で75%、20 mg/kgでは80%で差はみられなかったが、20 mg/kg群では、飼育期間中を通して40 mg/kg群と比較して体重の有意な高値がみられ、また、イニシエーション処置期間中の摂餌量、摂水量も高値を示した。肉眼的病理学検査では、大腸の腫瘤の発生頻度は40 mg/kg群で20例中14例(70%)、20 mg/kg群では20例中9例(45%)であり、平均発生個数は40 mg/kg群で1.3個、20 mg/kg群では0.6個であったが、腫瘤の大きさに差はなかった。本学会では、病理組織学的検査による全身標的臓器の過形成病変及び腫瘍性病変の発生率から、DMHの用量を下げた場合に中期多臓器発がん性試験として評価が可能であるかどうかを検証し、報告する。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 41.1 (0), P-231-, 2014
日本毒性学会
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詳細情報
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- CRID
- 1390282680524338688
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- NII論文ID
- 130005468653
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可